「声を上げる勇気が、キャリアを切り拓く」― 現場発・グローバルリーダーへの道。挑戦を支えるベーリンガーインゲルハイムの企業風土 ― | Boehringer Ingelheim JP
「声を上げる勇気が、キャリアを切り拓く」 ― 現場発・グローバルリーダーへの道。挑戦を支えるベーリンガーインゲルハイムの企業風土 ―
日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社では、社員こそが企業の原動力であるという理念のもと、多様性に富んだオープンな職場環境づくりに注力しています。社員一人ひとりが主体的にキャリアを築き、周囲がそれを支える文化が根付いています。
今回ご紹介するのは、そのカルチャーの中で自らの意志でキャリアを切り拓き、日本人として初めてヨーロッパの国のGeneral Manager(GM)に就任した平田貴彦さんです。中途入社のマネージャーとしてキャリアをスタートし、現場から着実にステップを重ねて、今や欧州の現地法人を率いる経営者として活躍する平田さんに、ベーリンガーインゲルハイムでの働き方と、プロアクティブなキャリア形成のリアルを伺いました。
「自分で選び、自分で動く」キャリアの軌跡
コンサルティング会社での市場分析や戦略作りの経験を経て、2011年にベーリンガーインゲルハイムに入社しました。製薬会社でのマーケティングでは、リスクをとって大きな意思決定をすることが求められ、その戦略性が大きく薬の上市の成否にも影響を与えます。コンサルティング会社での経験を生かせる製薬業界のマーケターの仕事に魅力を感じました。
入社後、日本では長く1つの製品のマーケティングを担当していたのですが、2018年頃に「次のキャリアをどうするか」を考えるようになりました。ほかの製品のマーケティング担当を希望するか、グローバルでの職務にチャレンジするか。上司に相談したところ、海外でのポジションへの道を示してくれて、背中を押してもらいました。社内異動とはいえ、ポジションを得るには自ら手を挙げて、面接や試験などもあります。そうして、ドイツでのグローバルのマーケティングに2年間携わりました。
その後日本に戻り、それまで経験のなかったセールス部門でのマネジメントを希望し、関東甲信越支店の支店長を務めました。当時はちょうど主力製品の適応追加の準備の時期でしたが、マーケティングでは見えなかった苦労や努力などを間近に見ることができたのは、今、振り返ってみてもとても大事な経験でした。
そして、再度ドイツ本社に赴任し、リージョナルビジネスマネージャーに着任しました。以前にドイツで働いた2年間は良い経験でしたが、実は思っていたよりも活躍できなかったという悔しさもありました。だからこそもう一度チャレンジしたいという思いが強くなり、その際にもまた上司と相談して、多くの方のサポートもいただきました。
このポジションでは、ドイツ、イタリア、イギリス、MIDI(オランダ、ベルギー、スカンジナビア諸国、ポルトガル、ギリシャ)の4つのマーケットを担当しました。1つのマーケットだけを見ていればよかった国ごとの視点とはまったく異なる新しい経験で、2年間は充実したものでした。
そして、2025年2月から現職であるスロバキアのGeneral Manager(GM)に着任しました。ベーリンガーインゲルハイムでは、自ら「こういうことをやりたい」と声を上げること、意欲を見せることが非常に大事です。声を上げれば、日本にも、グローバルにもそれを助けて後押ししてくれる人がたくさんいました。
「不安だからやらない」では何も変わらない。
キャリアを通じて大事にしていることは、チャレンジをすることです。もちろん怖さや不安はあります。でも「不安だからやらない」では何も変わりません。学びの機会、成長できると思う機会には積極的に飛び込むのが大事です。はじめてドイツに行ったときも、スロバキアに来るときも、文化も言語も違う中で一人だけ日本人という環境に不安はありました。ですがうまくいかなかったとしても、そこから学べることは必ずあると思っています。
もう1つ大切にしていることは、物事の本質が何かを考えるようにすることです。問題が起きた時、なぜそれが起きたのか、本質的に何が問題なのかを自分にもチームにも問いかけます。
もちろん、挫折することも多くありました。「本質的な問題は何か」が大事だと思っていますが、常にそれが正解とは限りません。自分の考えが間違っていた時には、経験の豊富な人たちに聞きながら常に修正していきました。グローバルで大変だったのはコミュニケーションです。英語の問題もありますし、こちらの話を聞いてもらえる信頼関係を築くまでが大変でした。この経験から、顔を合わせて話す、一緒に食事をするといったネットワーキングを重視するようになりました。
自分のキャラクターを大切に、10倍声を上げる
海外でキャリアを築くうえで大事なことは4つあると思っています。1つ目は、自分の強みを磨いておくことです。私の場合は戦略を考える力です。それで生きていく、と言えるだけの力がないと、海外ではついていけません。英語がある程度できることは強みではなく、最低限のエントリー条件です。2つ目は主体的に考えて動くことです。主体的に考えていないと、周囲からの助けも得られませんし、理解してもらうこともできません。「本社で働きたい」ではなく、「本社で何をしたいのか」を明確に言えないとチャンスは得られません。3つ目が、自分自身であること。ずっと相手に合わせてばかりではなく、自分のキャラクターを大事にして、それを認めてもらう努力をする方が建設的です。日本と海外ではコミュニケーションスタイルも違います。言いたいことを10言って、2理解してもらえるかどうかです。感覚的には日本の10倍くらいは言わないといけません。それでもまだ足りないといわれています。
4つ目は家族を大切にすること。家族がストレスを感じない環境を作ることは非常に大事です。実は家族は今ドイツに住んでいて、金曜日にドイツに行って月曜日の朝、スロバキアに戻るという生活をしています。週末は私が食事を作る係です。家族で散歩に行ったり、買い物に行ったり、家族との時間を大切にしています。
GMとして見えてきた、組織と社会への責任
スロバキアでは、医療へのアクセスの課題があるため、たとえば慢性腎臓病についても適切な診断や治療を受けられず、症状に気づくと同時に人工透析が必要となることもあります。GMという役割においては、こうした社会課題にも正面から向き合うことができます。そういった患者さんにいち早く治療法を届けられるよう、マーケティングやセールスのみなさんと一緒に尽力しています。
また、AIFPという製薬会社の業界団体があるのですが、各社のGMが集まる会合に私もメンバーとして参加しています。そこではスロバキアの保健医療制度や、製品のマーケットへのアクセスなどについて議論しています。スロバキアを含む中央ヨーロッパでは、保険償還が必ずされないケースがあるなど医療環境が日本とは異なり、患者さんに必要な薬が届かない場合があります。この課題を、スロバキアでは学会や政府を巻き込みどのように解決できるかといった議論もあり、ガバメントアフェアーズのような役割も期待されています。こうした部分は、経験のあるほかのGMの発言や行動を見て、今も勉強中です。
チャレンジの場所としてのベーリンガーインゲルハイム
今後のことですが、ベーリンガーインゲルハイムという会社が好きなので、長く働きたいと思っています。いろいろなバックグラウンドを持った人が、いろいろな国で働くことが奨励されるカルチャーです。世界中どこにでも可能性があると思います。まだまだチャレンジすることはたくさんありますし、これからもチャレンジを続けていきたいです.